第1回野沢温泉村宿泊記録。(野沢温泉村・旅館さかや)
2020/11/06
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えー…気楽なところで、一生懸命…と言うことですが。
「さかや」と書いてございますな。
今や、書道を楽しんでいるからこそ学んでいるからこそ、
自然にこの看板を…屋号を読むことが出来ます。
特に「か」の字。「可」が現代になって「か」でありまして、
こちらは元来の「可」の雰囲気を残す書き方ですね。
もちろん、現代の文字での看板もありました。
皆々様、考えることは同じもの。
得てして、そう言うものであると伺います。
コロナ禍からの復興を目指して、
政府からの支援作戦「GOTO割引」と合わせ、
各自治体の誘致、補助が加わった場合に、
こう思う訳でございます。
「割引されるから、普段泊まらない様な宿を取ろう」と。
割引率も高ければ高いほどに効いて来ますものね。
まだまだあるんでしょうけれど、
野沢温泉村においては、
今回の「旅館さかや」、「常盤屋旅館」、「野沢グランドホテル」辺りが、
比較的お高めなお宿の様に調べてみて映ります。
素泊まりが出来たり、ペンションみたいだったり、
お安いところも勿論ある様子。
スキー場併設の村…とも言える立地ですものね。
ともあれ、です。
お陰様で「旅館さかや」に、
ほぼ1人分浮いた状態で宿泊させて頂きました。
12湯の外湯に入った今でも、
「旅館さかや」が持つ自家源泉の良さは、僕とYOKOさんでの語り草です。
せっかく出掛けて来たので、
こうしてお喋りをさせて頂く…記録として残る、と言う訳で。
そんな一席にて、しばらくのご愉快を願っておこうと存じます。
それでは、そろそろ本編を始めて参りますが…。
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お部屋に入ったところ。
こんな雰囲気。
洗面台以外に水場がありました。
備品として湯沸し器だったり、コーヒーも機械式だったり。
NESPRESSOのメーカーもポーションも完備。
紅茶もフレーバーティーが揃っていて豪華。
個人的に大ヒットだったものが、
この洗濯物を乾かす装置。
AC電源、コンセントを差すだけ。
危険な熱さにはならないけれど、ただ干すよりも確実に乾く。
これ、雨が降っていた当日、
外湯巡りをして来た後に大活躍でした。
これ、スノースポーツ後も助かると思います。
流石は野沢温泉村だと思いました。
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書道を嗜むものとして、旅館に着くと、
様々な書画骨董にも興味を示してしまいます。
こう言うものを見て来たよー…的なところで。
「かぜといっしょにあるいてみるね
風といっしょにはなしてみるね」とロビーにありました。
初手の「か」の字の伸びやかさが素敵ですよねぇ。
岡本太郎さんの絵。オリンピックカラーが取り入れられています。
長野オリンピックの際に作成されたものでしょうか。
こちらもロビーにありました。
「夢」
「太陽」
「太郎」の印がありましたから、
こちらも岡本太郎さんの作品だと思われます。
大浴場付近には、
冬季五輪に関わる陳列物も多く、さながら小さな博物館の様。
版画。
「瑞鷹館記」とある素晴らしく美しい楷書作品。
「明治三十五戴 八月吉日 韓客 正三品 琅田居士 趙重應 撰并書」とあります。
「趙重應」は、李氏朝鮮末期から大韓帝国期の政治家…とのこと。
明治35年は1902年で、
1898年頃に日本に亡命し、1906年に特赦あり帰国してる方なので、
この間に野沢温泉を訪れた…と言うことですね。
なんとなーく読めそうではあるんですが、ともあれ。
「榮屋浴室」とあるので、「榮屋」で「さかや」なのでしょうか。
「和顔愛語」
旅館業において、この言葉はとても大切ですね。
心構え…と言うか。
これを実践できれば、受ける客人も同じ様になろうと言う。
「善光寺」のお坊様に揮毫して頂いたものの様です。
きっと探せば…
歴史ある温泉旅館ですから、
まだまだあるとは思うのですが、うろつく訳にも行かず。
いやはや、もっと見てみたいですね~!
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外湯巡りを終えた22時過ぎ。
「旅館さかや」の内湯に入らねば日を跨げない…と出掛けました。
「汗も掻いたし髪を洗うくらいで良いか」
…なんて心持ちで出掛けたのですが、
いやはや独りであったこともありますけど、
もう天国でした。極楽でした。ものすごく良いお湯!!
お湯そのものの良さもあり、
お湯の使われ方も匠の領域であり、
3温度帯あり、中温層が広く、熱湯は狭く、
寝湯も広め…ゆっくりと浸ることが出来る造り。
寝湯に入って写真を撮ると、こんな感じ。
「こ、この感動の瞬間を残しておきたい!!!」
…そんな心持ちで。
この写真を見る度に思い出します。
如何に最高の温泉だったか、を。
これは本当に体験しないと分かりませんね。
お宿選定の最終決定は、YOKOさんの鶴の一声だったのですが、
相変わらず冴えていたご様子。
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「旅館に宿泊する」と言う一連のイベントの中でも、最重要なイベントは…。
…端的に言ってしまうと、
お宿は寝る、泊まるが目的と言えども、
そこで最高評価を得たって個性とは言い難く。
最も個性的で印象的であるべき…
やはり2度あるお食事の時間が肝要なものですよね。
食堂が個室の様に区切られていて、周囲との分断があり、
雰囲気が凄く良い中で、着席と同時にこの絵面。
良い、実に良いです。
「これは何だろう」とか「どんな味わいなのかな」とか。
この種類を見れば、手が込んでいる事も分かるし、
きっと旬菜や郷土料理が含まれているだろうし…
いちばん分かりやすいのは、YOKOさんの笑顔ですね。
屈託のない、心底楽しそうな表情でした。
「来て良かったな、本当に良かった」
…自分の表情は自分では分からないものだけれど、
いつも一緒にいてくれるYOKOさんの笑顔があれば、
満足しているってことが、心から理解できるってもので。
お造りも、信州らしい素材また薬味にも工夫がありました。
他に、酒盗とお隣新潟の名物「かんずり」を合わせた酒肴も良かったですね。
酒盗の旨味に、酸味を伴う辛味と言うアタックが、
より一層の求心力を持たせてくれていました。
お宿の食事って、固形燃料で温められたお料理が定番ですが、
その器も小洒落たものでした。一見照明かと見まごう見た目。
中には、お饅頭的なものが。
メインはローストビーフでした。
こちらはお食事、ご飯に掛けて食べるキノコ餡。
デザートも信州らしい葡萄に梨、確かワインのゼリーだったっけ。
でも、いちばん美味しく感じた味は、
僕は野沢菜…でしたね。
野沢温泉で採れた野沢菜を一旦四国に送って加工して、
お漬物になってから、こちらに戻って来ているものだそうですが。
漬ける工程こそ信州にはないにせよ、
味のプロデュースは信州なのでしょうし、
こうして野沢菜への期待が最も高い場所として、
過言の無い食卓に据える…
お宿として、満足できる仕上がりでしょうし、
僕自身も、とても美味しく頂きましたし。
何ならお土産に買って帰りもしましたし。
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続いて、朝ご飯。
ヤマメだったかアユだったか…一夜干し。
固形燃料で焼いて食べます。
風味の良い味。
焼いてある魚ではない辺り、贅沢な印象です。
ご飯、いくつか選ぶことが出来ましたが、
こちらはYOKOさんが選んだとろろ麦ご飯。
自分は温泉粥。
どちらも小さく1杯だけだったので、
かなりお腹が空きました…が、
まぁ続いて出掛けた場所が中野市・三幸軒だったので、
空腹感こそ持続しませんでしたけれど、
何とも消化が良過ぎて消化不良…物足りないなー…
…なんて夫婦揃って思っていました。
夕ご飯がとても良かっただけに、
何だか朝に寂しさを抱く感じで…。
3種類からご飯を選ぶことが出来たのですが、
だったら、おかわりが可能か、
もしくは3種類ともちょっとずつ食べさせてもらえたら、
もっと良い印象だったかも知れません。
あ、そうか。
おかずの数は多いのだけれど、
ご飯が物足りなかったので、食が進まずに印象があまり良くないのか…。
肴を前にお酒がないような、そんな状態だったかも知れません。
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…と言う所で、
「旅館さかや」に宿泊して参りました、
その体験記、以上でございます。
外湯の「大湯」の裏にあり、
また大湯の左向かい側に、
「旅館さかや別邸」とあったか…
何か工事をされておられましたから、益々ご発展の様子。
またこうした旅館に泊まることが出来る様に、
様々なに頑張って行きたいなぁ、と思う訳でございます。
それではまた次回。
ありがとうございました。