日本酒「岩清水」MARS 2019 生原酒 Harmonie(アルモニー)




日本酒「岩清水」MARS 2019 生原酒 Harmonie(アルモニー)

気楽なところで、一生懸命…と言うことです。

今日はお酒呑みのお噂、日本酒の噺で一献…もとい、一席お付き合いを願っておきます。

目下、我が家に眠っていた日本酒を率先して開封、
いつ終わるか分からないけれど、新しい日本酒を買い控えております。
引越しを経る中で、
取り置いていた日本酒も、やはり飲まねば…
心血注いで醸したお酒を、ただ置いておくばかり、
飲むことが出来るものなのに、骨董品の様に観賞用にしてしまっては、
実に、甲斐が無いものだと…
これは様々なご意見がございましょうけれども、
自分としては、いたくそう感じたものでございます。

これは信州松本・大信州酒造の田中さんが仰っていた事で、
それが今になって、とても輝く様に思い出されるのですが、
まだ母屋があった頃、今の様な綺麗な売店が出来る前に、
冷蔵庫の中に置いてあった古い古いお酒を買い求め、
それが美味しかったと伝えた時に、
意訳になりますけれど、
「蔵から手を離れて、時間が経ってしまったお酒について言われても、
 なかなか応答しづらい」…と仰るのです。
それはつまり、
蔵元が蔵出しをする時には、最善の状態を意識している…と言うこと。

お酒は生物、常に変化して行く事が自然であるもの。
その定理がある中でも、
やはり企業として、製品を世に出す志として、
出荷に責任を持つと言う社長さんらしい発想に感じました。

自家熟成は確かに自己責任。
けれど、蔵元さんが僕ら飲み手に美味しく飲んで欲しいと、
仕込み、醸し、期待して出荷された日本酒を、
蔵元さんが期待した味通りに飲む事に意義がある様に思うんです。
それに、ようやく気付いた…と言うことで…

…ええ、我が家にあるお酒を、せめて今、少しでも早いうちに、
飲み干してから、新しい日本酒を買おうと決めたのです。


しかしながら。


ブログ「酒 宗夜」を閉じるに当たり、
書いた文章に、昔から頓着が無い自分は、
「まぁいいや」くらいにしか考えていなかったのですが、
ご縁ある蔵元さん、いや、尊敬する友人とあえて書きますが、
この「岩清水」蔵、
先達てブログ化した「笹の誉」蔵の杜氏さんから寄せられた言葉が、
「ああ、ブログを書いてきて良かった」と思わないではいられない、
心に深く刻み込まれる、素晴らしいお声掛けでした。痺れるくらい感動した。

それから、居ても立ってもいられず、
そのおふたりが醸した日本酒に触れたくて飲みたくて…
そうして買って来た1本が、こちらになります。
信州松本、上高地に向かう国道158号線上にある「深澤酒店」で購入しました。






酒名の「Harmonie」は、フランス語の「調和」の意味。
旧来だと「あらばしり、中取り、せめ」の3種で発売されておりましたが、
現在では、
「Soupless」=しなやかさ、やわらかさ、柔軟性、
「Harmonie」=調和、
「Corse」=しっかりとした、コクのあるもの…と言う名付けに変わっています。
酒名…と言うと、ちょっと違うのかも。
ボトリングの符号と言ったところで、
他の「岩清水」のお酒にも付されておりますね。

ハーフマラソン、2本が終わり、
直後の監査も終わり、ひと呼吸…
ようやく大きく息を吸って吐いて、
落ち着いて頂ける頃合になったので、晩酌に。

注いだグラスから立ち上る香は、
白桃、スミレ、蜂蜜、かすかにメロン…
とても清らかな雰囲気、甘い呼吸。

ひとくち飲んでみて、


「うん!」

これは美味しいなぁ、と思い、

「うーん!」

…と唸る。
これは、本当に美味しいぞ、と。
より、口中に溢れる感覚に驚きながら喜ぶ。

「岩清水」の近年の味わいの延長線上にあります。
葡萄果汁そのまま、と言うかカクテル化したと言うか。
シャインマスカットのジューシーさ、イメージ。
カクテル化とは、果汁だけでは美味しくならない…と言う意味で。
果汁にジンやウォッカ、ワンダッシュのビターズなどで調味する様に…、
けれど、この日本酒は、お米だけでビルドされているのだけれど、
完成した複合型飲み物カクテルの要素を踏襲している印象で、それが実に素晴らしい。
果汁そのままより、美味しい…そんなニュアンス。

米のエキスが輝く様な…
甘味はしっかりとあるのだけれど、とても軽く感じる。
香と合っている甘味。
ああ、ちょうどアルモニー(調和)していると言う事なのだろう。
充実している、爽やかさがある、甘味にくどさがない。渋味もない。
果実は、その糖度や渋さのアクセントも個性の味だけれど、
洗練され、調和され…和三盆糖を、メロンなどの爽やかな香で燻蒸したみたいなイメージ。
よほど、市販のゼリーやプリンの方がくどい甘さかも知れないね。

類似のお酒が全く思い当たらない。
福島・自然郷にも、近い鮮やかさがあるけれど、自然郷の方がもう少しだけお酒っぽいかしら。

「岩清水」にある別格と謳いたい美味しさ、
喉に引っかからなさは、たまらなく進む。
飲んでいることを、飲んだ後に気づく…と言う感覚すら…。
美味しいものが喉を通って嬉しくて、
「あ、飲んだんだ」と気づく様な。

YOKOさんに感想を聞くと、
甘いは甘い、香も甘い。
変にワインっぽくなく、スッキリしている…とのこと。
全く淀みなく「とても美味しい」と言う。



日本酒と言う概念、カテゴライズが、本当にどうでも良くなる…と言うか、
岩清水は岩清水の味、岩清水と言う日本酒の味が揺るがず、存在している…と思いました。
よく考え挑戦し実践し…結果を求めて日々の精錬…
杜氏さんの向上心を感じられる味わいでした。

日本酒「岩清水」MARS 2019 生原酒 Harmonie(アルモニー)

こちら、裏ラベル。

MARSでM、EARTHでEですが、
ちょうど昨晩のFBで、中野市の三幸軒さんが書いてらしたボトルは、
(私信:YOKOさん、三幸軒の五目焼きがめっちゃ食べたいです。大盛りで。)
JUPITERでJ、新商品なんだそうです。

益々、前へ先へ!
進んで行く信州中野「岩清水」蔵の味わいを堪能しました!

…と、ちょうど盃が変わるタイミングで、
本日はここまで。

ありがとうございました。

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平日、出来るだけ更新でやってみたいと存じます。

書道とかお酒とか、温泉、ランニング、ラーメン、街のうまいモン…
色々と色々に。
ご興味ない日もあるかと思います。毎日、見なくても良いと思うんです。

たまに見て頂いて、色んな事やってンな…と、
「今度は何してんだろうな」って思ってもらえたら幸いで。

「酒 宗夜」の新しい道を繋いで、いざ、行きます。

written by SAKESOJA (宗風)