あなたはきっと“初めての味”に触れる。(中野市・三幸軒)
2020/02/10
・
・
気楽なところで、一生懸命…と言うことです。
えー…飽食の時代、だなんて申しますね。
食べよう、として食べられないものがない。
世の中の美食は、もう出尽くしてしまった…などなど。
アイスクリームにコーンポタージュ味、
ラーメンにチョコレート味がある時代でございます。
もう、新しい味わいには出会えないんじゃないか…
…と憂慮する美食家の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
いやあ、それこそ料理人さんの創意工夫の見せ所なのだなぁ…と、
つくづく感じた今回。
「西洋ワサビ」を使った月替わりの限定メニュウがお目見えでした。
お馴染み、中野市・三幸軒で、
「油淋鶏炒飯とラーメンセット」を頂いて参りました。
どうぞ、最後までお付き合いの程を願っておきますが…。
・
・
食べに出掛ける前日、同僚さんとこんな会話をしておりまして。
「金曜日になると、ちょっとワクワクするよね」
自「そうですねぇ。特に自分は、明日中野市に行くんですよ」
「中野市?何しに?」
自「ええ、西洋ワサビを使ったメニュウがあって」
「…西洋ワサビってなんのこと?」
…と仰る。西洋ワサビ、ホースラディッシュ。
ああ、なるほど、もしかすると日常生活では、
あんまり見かけないものかも知れません。
ふと思い巡らせると、ローストビーフの付け合せでしょうか。
山葵の様にツンとした刺激が美味しい食材。
量販店では、チューブのカラシや山葵と同じ棚に、
ちょこんと置いてあります。実はあるんです。
セットメニュウは、こんな感じ。
油淋鶏の乗った炒飯とラーメンのセット。
レモンの上に乗った西洋ワサビ。
すり下ろしたものが乗っています。
届けられた段階から、刺激のあるワサビ類特有の匂い。
何でも、「仕込みだ」…と言って、
先んじてすり下ろしてしまうと、
その後、すぐに匂いが抜けてしまうんだそうで、
炒飯、揚げ鶏、ワサビにラーメンと手間の掛かったセットです。
油淋鶏に西洋ワサビを振りかけて頂く。
鮮烈なワサビの匂い、辛さが広がり、
そのあと、ふっとレモンの爽やかさが駆け抜けます。
西洋ワサビは、慣れ親しんだ日本の山葵と比べて、
より辛味の余韻が残り難く、爽やかスマートな印象です。
甘酸っぱい油淋鶏の代名詞的なソースの中で、
実に明瞭で健康的な刺激に感じます。
カリッと、香ばしく揚げられた鶏肉は、
弾力があり、美味しい。
口の中で噛み締める度、甘酸っぱく、
西洋ワサビは少しの辛味、
ネギはまたレモンやワサビとは異なる旨味を与えてくれて…。
元々、三幸軒の油淋鶏、美味しいんです。
その美味しさに加えての西洋ワサビの風味…
冒頭の様にローストビーフの付け合せソースや、
ジビエ的な赤身肉に相性が良いイメージがありますが、
三幸軒は中華料理屋さんです。
中華料理に上手に西洋ワサビが取り入れられていて、
とても感心しました。
「西洋ワサビがあるから、より美味しい」と言う感覚。
よくぞ合わせることを思い付いて頂いた!
…と喜んだのですが、
タイトル「あなたはきっと“初めての味”に触れる。」は、
ここから。
フレーク状になっている西洋ワサビなので、
ポロポロとレモンのお皿からこぼれ落ちます。
鶏の上に掛けても落ちる。
落ちるとそこは、炒飯の米粒の園。
炒飯は油淋鶏ソースに触れていて、
ちょっとしっとりした部分もあります。
炒飯、油淋鶏ソースに西洋ワサビ。
せっかくなので、軽く混ぜ合わせて食べてみる。
「!!!!!」
「うわっ、うま!うまぁ―――ッ!?」
驚き…ですよね。最初は。
これまでに炒飯は何度か頂いていて、
美味しいことは知っている。
そこに甘酸っぱいソース、
「麺肴ひづき」や「寸八」で見掛ける、
ネギ胡椒ご飯の様なネギとオイルの良い関係。
そこに入った西洋ワサビは、
鼻にツンと来る部分は、この場合だけ、どこか控えめ。
トロや霜降り肉にワサビで、
その刺激が抑えられるのでオイルによるものかしら…
芳しさはそのまま、山椒じゃないけれど、
小粒でも飯の中に入ると、
素晴らしい爽快感。甘酸っぱさが、
ブラッシュアップされる感覚で、驚くほど美味しい。
加えて鶏肉と一緒にして、かき込んでみると…
そりゃあもう、言わずもがな、です。
最初はそうやって食べていませんでした。
前述の通りで、
油淋鶏に西洋ワサビを掛けて噛み付き、
後に、炒飯やラーメンと口中調理的な触れ合い。
最初からある程度混ぜ合わせてあげた場合の、
西洋ワサビの味わいの広がり方が、
どの美味しさの主張もありながら見事な融合進化具合。
口福とは、ここに真を見たり!…そんな心境、境地。
そして時折、三幸軒の「らーめん」も頂きながら。
スッキリした雰囲気がありながら、
ふくよかさもちゃんとあって、磐石の美味しさ。
毎日食べたいと思う三幸軒の餃子。
フライドエリンギなども入ってお気に入りの
「三幸軒サラダ」なども注文しており、
「出掛けて来て良かったー!」と、
YOKOさん共々、喜んだお昼ご飯になりました。
・
物事には陰陽があり、
好きがあれば嫌いもあるのが世の中の理で。
僕は唐辛子系の辛さが、そこそこの強さ。
カップめんの「中本」や「辛辛魚」は食べられるけれど、
美味しくは食べられないくらい。
カラシやワサビなどの刺激系は大好物。
逆に、YOKOさんは唐辛子系の辛さが大好物で、
カラシやワサビなどは苦手な方なんです。真逆。
だので、YOKOさんにとって、
今回の西洋ワサビの量は、とても美味しいのだけれど、
ちょっと盛り過ぎると「ツン」と来るのだとか。
混ぜ合わせると炒飯の熱気によって、
より芳しさが増すので、
僕は素晴らしく感動していたけれど、
ツンとし過ぎると苦手なYOKOさんには、
「美味しいんだけど、なかなか刺激的」と思うみたい。
でも、これはちょうど良い量を探りながら食べられるセットなので、
ホスピタリティも良いメニュウだと思えます。
最初から混ぜ合わせてあると、そうも行かないですもんね。
西洋ワサビとは何ぞや?と言う方も、
「今更初めての味なんてないよー」と言う方も、
ツンとするタイプの辛さがお好きな方も、
これは本当にオススメです。食べないと勿体無い。
「中華料理+西洋ワサビ」と言う発想だって稀有ですよ。
それが更にウマイ料理になって味わえるって、
素晴らしいことだと思うのですよ!
月替わりのランチメニュウ、是非とも!
平日が基本で、自分は土曜日でしたが、
予約でお願いして出掛け、食べておりまして。
…と言ったところで、
熱く語ってしまいましたが、本日はお時間と言ったところ。
お付き合い頂きまして、
誠にありがとう存じました。
それでは。
・
気楽なところで、一生懸命…と言うことです。
えー…飽食の時代、だなんて申しますね。
食べよう、として食べられないものがない。
世の中の美食は、もう出尽くしてしまった…などなど。
アイスクリームにコーンポタージュ味、
ラーメンにチョコレート味がある時代でございます。
もう、新しい味わいには出会えないんじゃないか…
…と憂慮する美食家の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
いやあ、それこそ料理人さんの創意工夫の見せ所なのだなぁ…と、
つくづく感じた今回。
「西洋ワサビ」を使った月替わりの限定メニュウがお目見えでした。
お馴染み、中野市・三幸軒で、
「油淋鶏炒飯とラーメンセット」を頂いて参りました。
どうぞ、最後までお付き合いの程を願っておきますが…。
・
・
食べに出掛ける前日、同僚さんとこんな会話をしておりまして。
「金曜日になると、ちょっとワクワクするよね」
自「そうですねぇ。特に自分は、明日中野市に行くんですよ」
「中野市?何しに?」
自「ええ、西洋ワサビを使ったメニュウがあって」
「…西洋ワサビってなんのこと?」
…と仰る。西洋ワサビ、ホースラディッシュ。
ああ、なるほど、もしかすると日常生活では、
あんまり見かけないものかも知れません。
ふと思い巡らせると、ローストビーフの付け合せでしょうか。
山葵の様にツンとした刺激が美味しい食材。
量販店では、チューブのカラシや山葵と同じ棚に、
ちょこんと置いてあります。実はあるんです。
セットメニュウは、こんな感じ。
油淋鶏の乗った炒飯とラーメンのセット。
レモンの上に乗った西洋ワサビ。
すり下ろしたものが乗っています。
届けられた段階から、刺激のあるワサビ類特有の匂い。
何でも、「仕込みだ」…と言って、
先んじてすり下ろしてしまうと、
その後、すぐに匂いが抜けてしまうんだそうで、
炒飯、揚げ鶏、ワサビにラーメンと手間の掛かったセットです。
油淋鶏に西洋ワサビを振りかけて頂く。
鮮烈なワサビの匂い、辛さが広がり、
そのあと、ふっとレモンの爽やかさが駆け抜けます。
西洋ワサビは、慣れ親しんだ日本の山葵と比べて、
より辛味の余韻が残り難く、爽やかスマートな印象です。
甘酸っぱい油淋鶏の代名詞的なソースの中で、
実に明瞭で健康的な刺激に感じます。
カリッと、香ばしく揚げられた鶏肉は、
弾力があり、美味しい。
口の中で噛み締める度、甘酸っぱく、
西洋ワサビは少しの辛味、
ネギはまたレモンやワサビとは異なる旨味を与えてくれて…。
元々、三幸軒の油淋鶏、美味しいんです。
その美味しさに加えての西洋ワサビの風味…
冒頭の様にローストビーフの付け合せソースや、
ジビエ的な赤身肉に相性が良いイメージがありますが、
三幸軒は中華料理屋さんです。
中華料理に上手に西洋ワサビが取り入れられていて、
とても感心しました。
「西洋ワサビがあるから、より美味しい」と言う感覚。
よくぞ合わせることを思い付いて頂いた!
…と喜んだのですが、
タイトル「あなたはきっと“初めての味”に触れる。」は、
ここから。
フレーク状になっている西洋ワサビなので、
ポロポロとレモンのお皿からこぼれ落ちます。
鶏の上に掛けても落ちる。
落ちるとそこは、炒飯の米粒の園。
炒飯は油淋鶏ソースに触れていて、
ちょっとしっとりした部分もあります。
炒飯、油淋鶏ソースに西洋ワサビ。
せっかくなので、軽く混ぜ合わせて食べてみる。
「!!!!!」
「うわっ、うま!うまぁ―――ッ!?」
驚き…ですよね。最初は。
これまでに炒飯は何度か頂いていて、
美味しいことは知っている。
そこに甘酸っぱいソース、
「麺肴ひづき」や「寸八」で見掛ける、
ネギ胡椒ご飯の様なネギとオイルの良い関係。
そこに入った西洋ワサビは、
鼻にツンと来る部分は、この場合だけ、どこか控えめ。
トロや霜降り肉にワサビで、
その刺激が抑えられるのでオイルによるものかしら…
芳しさはそのまま、山椒じゃないけれど、
小粒でも飯の中に入ると、
素晴らしい爽快感。甘酸っぱさが、
ブラッシュアップされる感覚で、驚くほど美味しい。
加えて鶏肉と一緒にして、かき込んでみると…
そりゃあもう、言わずもがな、です。
最初はそうやって食べていませんでした。
前述の通りで、
油淋鶏に西洋ワサビを掛けて噛み付き、
後に、炒飯やラーメンと口中調理的な触れ合い。
最初からある程度混ぜ合わせてあげた場合の、
西洋ワサビの味わいの広がり方が、
どの美味しさの主張もありながら見事な融合進化具合。
口福とは、ここに真を見たり!…そんな心境、境地。
そして時折、三幸軒の「らーめん」も頂きながら。
スッキリした雰囲気がありながら、
ふくよかさもちゃんとあって、磐石の美味しさ。
毎日食べたいと思う三幸軒の餃子。
フライドエリンギなども入ってお気に入りの
「三幸軒サラダ」なども注文しており、
「出掛けて来て良かったー!」と、
YOKOさん共々、喜んだお昼ご飯になりました。
・
物事には陰陽があり、
好きがあれば嫌いもあるのが世の中の理で。
僕は唐辛子系の辛さが、そこそこの強さ。
カップめんの「中本」や「辛辛魚」は食べられるけれど、
美味しくは食べられないくらい。
カラシやワサビなどの刺激系は大好物。
逆に、YOKOさんは唐辛子系の辛さが大好物で、
カラシやワサビなどは苦手な方なんです。真逆。
だので、YOKOさんにとって、
今回の西洋ワサビの量は、とても美味しいのだけれど、
ちょっと盛り過ぎると「ツン」と来るのだとか。
混ぜ合わせると炒飯の熱気によって、
より芳しさが増すので、
僕は素晴らしく感動していたけれど、
ツンとし過ぎると苦手なYOKOさんには、
「美味しいんだけど、なかなか刺激的」と思うみたい。
でも、これはちょうど良い量を探りながら食べられるセットなので、
ホスピタリティも良いメニュウだと思えます。
最初から混ぜ合わせてあると、そうも行かないですもんね。
西洋ワサビとは何ぞや?と言う方も、
「今更初めての味なんてないよー」と言う方も、
ツンとするタイプの辛さがお好きな方も、
これは本当にオススメです。食べないと勿体無い。
「中華料理+西洋ワサビ」と言う発想だって稀有ですよ。
それが更にウマイ料理になって味わえるって、
素晴らしいことだと思うのですよ!
月替わりのランチメニュウ、是非とも!
平日が基本で、自分は土曜日でしたが、
予約でお願いして出掛け、食べておりまして。
…と言ったところで、
熱く語ってしまいましたが、本日はお時間と言ったところ。
お付き合い頂きまして、
誠にありがとう存じました。
それでは。