秋山郷へ出掛けないと秋は終わらない。(栄村秋山郷・みずと屋食堂)
2019/11/14
・
・

気楽なところで、一生懸命…と言うことです。
えー…1年1度のお楽しみ…と言うヤツでして。
落語の世界を歩いて参りますと、
こと江戸の頃合いなんて言うものは、
多く奉公人の皆様が懸命に働いておられ、
それぞれ、盆暮れのお休みを実に楽しみにしていた…
…なんと言う。
お店(たな)は24時間営業でこそないものの、
基本的にはお休みと言う概念がなかった…と言うのですから、
週休2日制の現代を生きる我らにとっては、
なかなか酷な世の中であったやも知れません。
当時は旅と言えば“生きて帰ることが出来るかどうか”…
…と言う時代であって、行楽として出掛けるのは、
どこのお大尽か殿様か…と言った具合。
実際に殿様も時代に照らし合わせれば、
そんなに自由に使うお金はなかったでしょうね。

家から鉄の馬…自動車を駆使して、3時間掛かります。
秋山郷。
道中すれ違いに苦労する道もあって、
楽ではありません。遠いです。たいへんです。
けれども、この時期だけ営業する食堂に、
今年も出掛けて参りました。
入口に名簿のようなものを掲げられ、
ちょっと複雑になりがちだったお店の中も、
整列処理がきちんとされて、
健やかな食事の時間になり、
天然きのこたっぷりの餡がスープに融けて、
「ああ、これこれ。これが本当に旨いんだ!」
…とYOKOさんと笑い合う、そんな噺となっております。
短い時間ではございますが、
終いまで、どうぞごゆっくりとお付き合いを願っておきますが…。
・
・
今年はキノコの出が悪い…のだそうです。
そう言えば、松本市の扉温泉・桧の湯、かけす食堂の、
天然きのこのうどんも食べていませんね。
自分のアンテナの張り方が悪いのか、情報が見えて来ない様な…。
しかし、それもそのはずで、
普段は第1週で営業を終わらせてしまう「みずと屋食堂」も、
今月はキノコの様子を見ながら、17日頃まで営業されるそうです。
もし、お出掛けの際には、お電話で確認してから…が良さそう。

YOKOさんが迎えた1杯。

同じものだけれど、こちらが僕の1杯。
大きく作って分けるので、微妙に見た目が違います。
毎年のこと、美味しさは変わりません。

天然きのこ餡がたっぷり絡んだ麺。
これが最高に旨い。旨いんです。
僕らが知る「美味しいもの」の中でも、
本当に上位にある1杯。
到着してすぐ、スープを頂くと、
それは、こう…よくある様な味なんです。
中華そば系のスープ。
「あれっ」って毎年思いますよ。知っている味じゃない。
それが、餡がだんだんとスープに融けて来る…
上のキノコを食べている間に、
キノコエキスが充満したスープになって、
たっぷりの餡が蓋をするから、
最後の最後まで熱々で、
「ああ!たまらないたまらない!」
ふたりで「これが食べたかったんだ!」…と、
キノコの毒に、何か快楽的な中毒症状を得るものがあるんじゃないか。
これも毎度思うんですけれど、
食べて食べて…なくなるまで幸せがずっと続く。
その日のTwitterに、せめて今の心持ちを…と書き込んだのは、
「 あついー。あつい。幸せだ。胃も心もすごく、すごく。 」

「こんなに大きいのがあったよ!」
…とYOKOさん。自然の恵みは偉大です。
「来年も絶対に元気で、健康に過ごして、また来ようね!」
そう言う。
そう思うし、自分自身の満足感に、誓う。
秋山郷は、この頃でもまだ紅葉の始まりを感じさせる、
ちょっと季節の巡りが遅い今年。
僕らは秋の一大イベント…泊まりでもないし、
弾丸、強行、日帰りの旅程だけれど、
「これをやらねば!」…盆暮れ正月が来ない…
…なんて、そんな心境に近い。気分は秋の大晦日、かも。
秋山郷へ出掛けないと秋は終わらない。
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気楽なところで、一生懸命…と言うことです。
えー…1年1度のお楽しみ…と言うヤツでして。
落語の世界を歩いて参りますと、
こと江戸の頃合いなんて言うものは、
多く奉公人の皆様が懸命に働いておられ、
それぞれ、盆暮れのお休みを実に楽しみにしていた…
…なんと言う。
お店(たな)は24時間営業でこそないものの、
基本的にはお休みと言う概念がなかった…と言うのですから、
週休2日制の現代を生きる我らにとっては、
なかなか酷な世の中であったやも知れません。
当時は旅と言えば“生きて帰ることが出来るかどうか”…
…と言う時代であって、行楽として出掛けるのは、
どこのお大尽か殿様か…と言った具合。
実際に殿様も時代に照らし合わせれば、
そんなに自由に使うお金はなかったでしょうね。
家から鉄の馬…自動車を駆使して、3時間掛かります。
秋山郷。
道中すれ違いに苦労する道もあって、
楽ではありません。遠いです。たいへんです。
けれども、この時期だけ営業する食堂に、
今年も出掛けて参りました。
入口に名簿のようなものを掲げられ、
ちょっと複雑になりがちだったお店の中も、
整列処理がきちんとされて、
健やかな食事の時間になり、
天然きのこたっぷりの餡がスープに融けて、
「ああ、これこれ。これが本当に旨いんだ!」
…とYOKOさんと笑い合う、そんな噺となっております。
短い時間ではございますが、
終いまで、どうぞごゆっくりとお付き合いを願っておきますが…。
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今年はキノコの出が悪い…のだそうです。
そう言えば、松本市の扉温泉・桧の湯、かけす食堂の、
天然きのこのうどんも食べていませんね。
自分のアンテナの張り方が悪いのか、情報が見えて来ない様な…。
しかし、それもそのはずで、
普段は第1週で営業を終わらせてしまう「みずと屋食堂」も、
今月はキノコの様子を見ながら、17日頃まで営業されるそうです。
もし、お出掛けの際には、お電話で確認してから…が良さそう。
YOKOさんが迎えた1杯。
同じものだけれど、こちらが僕の1杯。
大きく作って分けるので、微妙に見た目が違います。
毎年のこと、美味しさは変わりません。
天然きのこ餡がたっぷり絡んだ麺。
これが最高に旨い。旨いんです。
僕らが知る「美味しいもの」の中でも、
本当に上位にある1杯。
到着してすぐ、スープを頂くと、
それは、こう…よくある様な味なんです。
中華そば系のスープ。
「あれっ」って毎年思いますよ。知っている味じゃない。
それが、餡がだんだんとスープに融けて来る…
上のキノコを食べている間に、
キノコエキスが充満したスープになって、
たっぷりの餡が蓋をするから、
最後の最後まで熱々で、
「ああ!たまらないたまらない!」
ふたりで「これが食べたかったんだ!」…と、
キノコの毒に、何か快楽的な中毒症状を得るものがあるんじゃないか。
これも毎度思うんですけれど、
食べて食べて…なくなるまで幸せがずっと続く。
その日のTwitterに、せめて今の心持ちを…と書き込んだのは、
「 あついー。あつい。幸せだ。胃も心もすごく、すごく。 」
「こんなに大きいのがあったよ!」
…とYOKOさん。自然の恵みは偉大です。
「来年も絶対に元気で、健康に過ごして、また来ようね!」
そう言う。
そう思うし、自分自身の満足感に、誓う。
秋山郷は、この頃でもまだ紅葉の始まりを感じさせる、
ちょっと季節の巡りが遅い今年。
僕らは秋の一大イベント…泊まりでもないし、
弾丸、強行、日帰りの旅程だけれど、
「これをやらねば!」…盆暮れ正月が来ない…
…なんて、そんな心境に近い。気分は秋の大晦日、かも。
秋山郷へ出掛けないと秋は終わらない。