直後、僕にラードを買わせるくらい美味しかったが、衝撃は後から来る。(下諏訪町・萬馬軒 諏訪店)




直後、僕にラードを買わせるくらい美味しかったが、衝撃は後から来る。(下諏訪町・萬馬軒 諏訪店)

気楽なところで、一生懸命…と言う事です。

本日も一席、麺のお噂にてご愉快を願っておきます。
下諏訪町「萬馬軒」の「当店人気ナンバーワン!」と銘打たれたメニュウになります。

こう、「頑者」や「六厘舎」の興隆によって、
濃厚魚介つけ麺が市民権を得て久しくなりました。
スーパーの袋入り生ラーメンでだって登場して久しい。
「またおま」なんて言葉だって昨今は伺ってしまうくらいの定番化ですね。

その前の時代って、「つけ麺」は一般的ではなかったのではないか…
…なんて考えます。地域につけ麺が有名なお店があってこそ、
世間様では、つけ麺は知られておらず、ざる中華的なものの方が…
いや、どうなんだろうな…なんて時代だと思うんですね。
「大勝軒」や「丸長」なんて言うところが、その文化を支えたお店。

だな、と思っていたのですが。

この「萬馬軒」も長く営業されていて、
つけ麺が「当店人気ナンバーワン」と書かれるくらいに、
維持されていて…その味と言うものは、とても興味深いものでした。

つけ麺のクラシカルな定番の味わいが、
どこか「大勝軒」などの甘酸っぱい醤油スープと言う印象がある中で、
「萬馬軒」のつけ麺は、クラシカルなテイストがある、
また「大勝軒」とは別の美味しさでした。

直後、僕にラードを買わせるくらい美味しかったが、衝撃は後から来る。(下諏訪町・萬馬軒 諏訪店)

醤油ダレ、油はラードでしょうか、油層はたっぷり。
もやし、メンマがうず高く詰まれていて、
その上に自慢のチャーシューが乗っています。
そのままだと、なるほどちょっとしょっぱく感じるスープ、タレ。

奥の陶器に並々とスープが入っていて、
これで好みの濃さに調整しながら食べる…と言うシステム。
スープ割りは、食べ終わった後、残りのスープで、
これもやっぱり好みの濃さにして楽しむ…なんてところ。

直後、僕にラードを買わせるくらい美味しかったが、衝撃は後から来る。(下諏訪町・萬馬軒 諏訪店)

1.5倍の量、その麺はなるほど、結構なボリュームがありました。
大盛りにしようか、それが出来るのか…
悩んだのですが、避けて良かったのかも。
もし、大盛りが出来るならば、相当の量が届けられそうです。

世間は硬く〆られた麺が多い印象なのですが、
そうしたものではなく、柔らかいと言えば柔らかいけれど、
喉越しに秀でた印象があって、
分かる人にしか分からないけれど、
松本市寿の「白山」の十割と九一の蕎麦の差に近い感覚かしら。
硬い麺好きの僕にしても、
この柔らか滑らか、どんどん入って来る感覚は、美味しい。

スープで割らずそのままの濃さだと、
醤油ダレの美味しさがガツンと入って来ます。
塩辛さもあるけれど、醤油の味と共に麺の味がよく見える。味わえる。
少しだけ割って様子を見ると、
今度は麺の香を上回って、タレの香やネギの香を感じるようになります。
コンビネーションを感じるのは、ちょっと割ったくらいでしょうか。
それこそ「お好み」で。

ビックインパクトがある味わいではないのだけれど、
何だか美味しい。醤油も麺もとても美味しく感じる。
シンプルで良いなぁ、と。
食べさせたい主眼をこちらも受け取りやすいなぁ、と。

直後、僕にラードを買わせるくらい美味しかったが、衝撃は後から来る。(下諏訪町・萬馬軒 諏訪店)

大盛りにしない分、
「チャーシュウ丼」を頼んでおいたのだけれど、
これ自体は、塩気はごくあっさりしたもので、
卓上の餃子用のお醤油を掛けて食べても美味しいのかも、と言う塩分感。
ここに、つけ麺ダレをかけた時が、たまらなかった。

「うっそ、めちゃくちゃ旨い!」

ラードご飯みたいな…ラード、醤油みたいな、
そうした美味しさに近似します。
ラーメン用の美味しいタレだからこそ、尚更に美味しく、
萬馬軒のチャーシューのふかふか柔らか食感が、
この形態でも存在していて、溶け込んで来て、素晴らしい。

辰野の「みさき食堂」の「ねぎ豚丼」にも見られる、
油とご飯の親和性を、極上の味わいで体感できる事に驚いたんです。

なんだろ、ご飯が主と言う印象があまりなかったし、
「絶品!」とは書いてあったけれど、
お値打ち250円のメニュウ…心の中では化けた感覚でしたね。
サイドメニュウ、あくまでサイドである立ち位置から躍り出る。
なるほど、絶品だなぁ、と。

割りスープを残してしまうのは勿体無い…と、
食後、全てタレの入った器に投入すると、
味としたらかなり薄味になるくらい分量でした。
色も醤油色の赤黒っぽい色から、琥珀の薄い色合いに。
通常、ラーメンに使っているよりも多いのではないか…。
それだけ薄く割ったスープは、とても優しい味わいで美味しかったですね。

そもそも、このつけ麺セットは、
どことなく、通常作るラーメンとの相違点が

1:麺を冷やしていること、
2:スープを別提供していること…

実はそれだけじゃあないのかな…と思うんです。
だからこそ鉄壁のバランスがあって、美味しいのかなー…と。



僕が「萬馬軒」の名前を知ったのは、
2005年の「第1回 信州ラーメン博」だったと思います。
名を連ねておいでですもんね。食べはしませんでしたけど。
その後も、気になってはいたけれど、
諏訪と言う地域に出掛ける事がなく暮らしていて、
ここ最近、諏訪湖へのランニングがきっかけで、
ちょくちょくと出て来る様になって、このご縁ですが、
あー、もっと早く知っていたかったなーって思うことしきりです。

新スタイルでもなんでもないのだけれど、
昔から、この「つけ麺」を「萬馬軒」さんは提供されているのだけれど、
出会いがついこの間のことなので、
僕にとっては、ホットスポット以外の何モノでもなくて。
つけ麺+チャーシュウ丼は、良いです。たまらない。
今度は「ごまつけ麺」も良いかも。気になるメニュウばかり。

この日の美味しさは、日を追うごとに思い出されて来て、
ある種、衝撃的でさえあります。
ジャンクってほどジャンクじゃないけれど、中毒性があると言うか…
食べたさが募っている自分に対しても驚く…なんて衝撃も増す心持ち。

「また食べたいなー」って何度も思っていて、
思う、と言う事は、
どこか代替を求めてしまうものなのだけれど…日々実感です。

直後、僕にラードを買わせるくらい美味しかったし、衝撃は後から来る。

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written by SAKESOJA (宗風)