サバが日本酒、頑張っている。(塩尻市・塩さばダイニング サバ)

SOJA

2019年07月16日 18:30







気楽なところで、一生懸命…と言うことですが…

えー、

いや、何と言うか、この日は気楽な日ではありませんでしたね。松本。
7月13日の噺、お酒呑みのお噂でございます。

すごい日だったと思います。
6月に連休が無かったことも起因するのか、
「久し振りの連休だ!」と、ワクワクした機運も当日はあったでしょう。

僕らも、松本の日本酒居酒屋「厨十兵衛」に出掛けるつもりでおりました。
午前中に信州スカイパークを10km走って、温泉で汗を流して、
着々と来る時間のために準備をしていて…
そこで、SNSで目に飛び込んで来たツイートに驚く、「事故だ」と。
情報収集を行う中で、上高地線も…電車でなく、車のほう、
国道158号線、竜島温泉・せせらぎの湯を過ぎて、酒屋さん、トンネル…とランドマークがある、
その途中で、結果的に痛ましく死亡事故が起きてしまっています。

えびの子大橋の踏み切りで、特急あずさと乗用車が接触。
写真を見ても、弾き飛ばされた車が、壁と特急車両の間にめり込んでいる様な…
この撤去作業は、さぞたいへんだったでしょうし、多くの方に影響が出た訳で。

僕らは、電車の運行情報とにらめっこ体勢になり、
17時の再開予定が18時、そして不明になって、21時50分の予定に変わる…
18時までは耐え忍んでおりましたが、
「不明」となると「ああ、これはイカン」と諦める訳です。
「もう、松本には出掛けられない」
しかし、服装はお出掛けの格好を着込んでいる上に、
夕ご飯の支度なんて、何ひとつ出来ていない中で、
「もう!だったら塩尻で飲むしかない!!」と考える訳です。

折りしも塩尻は阿礼神社の例大祭で、それはそれでイベント日なので、
混むのかな、どうなのかなー…と言う所でしたが、
やはり電車が動かない事に起因するのか、
流入する観光客さんもストップしてしまう訳で、しばらくは静かな塩尻駅前「サバ」店内でした。
20時過ぎから、ポツポツと旅行客さんがお見えになった感じで。

そうそう。塩尻駅にも立ち寄ったんです。
困りあぐねいた皆さんでごった返していましたね。座る場所にも限界がある訳ですから。
数字で13700人に影響があった…とまとめてしまうと実感が薄れますが、
それぞれ、とても困ったんだろう…近隣の僕らですら、
ヤキモキして、悩んで、モヤモヤッとして…
そこに宿泊やお楽しみの予定変更などが加わってしまうと、
心労は余程のことだったと感じます。本当にお疲れさまでした。

駅前で、偶然「美寿々」を醸す熊谷さんとすれ違います。
お互いに情報交換…東京では大長野酒祭りも翌日に控えていましたし。
お世話になった方の訃報も先週は飛び込んで来ましたしね…
そんな話をしながら分かれた訳でして。




で。



結果、「サバ」で飲み直し…って、飲んでもいない内に方向転換したのですが。
でも、それでもランニングして来た訳ですから、泡は沁み込むんです。
すごーく。



7月13日のお通しは、わらびのおひたしと叩きキュウリの梅風味。
相変わらず、気の利いたものが出て来ます。
…まだ夜は2回目ですが。

この日は、日本酒をいっぱい頂きました。

前回には無かった「お酒のリストブック」が出来ていて、
日本酒だけでなく、ワインやウイスキーも定番のものがあり、
ああ、そうだ。後から来たお兄さんはシェリー酒を頼んでいたっけ。
「お試し」されている感じがしましたが、
そうしたBarっぽく使うことも良いですよねぇ。
敷居が高い訳ではない、居酒屋さん感ある「サバ」ですから、
まず飲んでみるって、とても大切。好奇心は宝物ですもの。



信州塩尻・美寿々・純米酒
信州木祖村・十六代九郎右衛門・特別純米“八重原産ひとごこち”

日本酒、僕は「美寿々」から。
やっぱり、つい先程、熊谷さんに会ったりすると飲みたくなる訳で。
比較的、軽めに仕上げてあって、とても飲み易い。流石の造り。
YOKOさんは「見掛けたら飲むと決めている」の通りで、「九郎右衛門」を。
山のものにも海のものにも良く合うバランスタイプ。



東京・嘉泉“田むら”純米吟醸“山酒4号”
信州高遠・黒松仙醸“こんな夜に・・”・特別純米火入れ“鹿”

続いて、「田むら」は聞いたことがありますが、飲むのは初めて。
「嘉泉」は何度か。同じ蔵元さんだったんですね。
純米吟醸と言うことで、華やかさも持つ…でもボディもしっかりしていました。
美味しかったですね。
「こんな夜に」は、旨味がしっかり乗っていたもの。
くどさまで発展せず、上手に伸びて行く過程を感じます。



信州中川・今錦・特別純米“中川村のたま子”
信州長野今井・川中島幻舞・純米吟醸“雄町”無濾過生原酒

新しい体制になってからの「今錦」、あれ、今年飲むのは初めてかも。
今までの酸の高い「今錦」から、随分と穏やかさと美しさを持つ雰囲気に。
好みもあろう…と言う所ですが、
より、多くの方に好まれそうな品のある味わいに感じました。美味しい。
「川中島幻舞」は雄町米を使ったボトルで、あんまり馴染みがない印象がありますね。
YOKOさん好みの蔵元なので、度々試す機会には恵まれているのですが、
「雄町」は初めて…どうだろう。そんな印象。
太い雰囲気があり、他と比べてしまうと、ゆっくりと大きく入って来る感じ。
そりゃあ火入れ酒と比べたら、生原酒はそう感じるかもですが、
スマートな印象を僕は抱いている「雄町」にしても、
どっしりとした、たゆたんでいるような…滑らかに重さのある感覚。
また「川中島幻舞」の、ひとつの表情を知る印象でした。




ほとんど喫煙する人はいないのだけれど、
たまに煙に巻かれて、「むむむ」となったりなんかして…
そうこうしている内に、旅の方たちが入って来て…
おひとり、「これから木曽福島まで友達を迎えに行って来る。
予約の時間を過ぎちゃうけど、ごめん!」って、
律儀に店頭に顔を出した方までいたくらい。
僕らは、ずーっと居たので、その後にお見えになった所まで確認してしまう、
ゆっくり日本酒を楽しんだ夜でしたね~。
その電車に、いつもお世話になっている大町「横川商店」の呑ん子さんも、
出張帰りで乗ってらしたので、
「ああ、一緒に連れて来てもらったら良かった」とか思ったりもしたくらい。

SNSで眺めていても、長野経由で東京を目指した方もいらっしゃいましたし、
本当に、イレギュラーな人の動きが多発した日だったと思います。

そんな中、お目当ての場所には行けなかったとは言え、
「サバ」でしっかり楽しむことが出来たのは、良かったんじゃないかなー…って思います。
ああ、そうそう。
飲む前、その直前は、期日前投票を済ませて、
「PokemonGO」でアーマードミュウツーを倒したり、散歩したりしていました。
(ミュウツーはYOKOさん2戦2勝、僕は2戦2敗)

その途中「うず潮」前の看板も、日本酒メニュウが拡充されたのか、
昔から、そうなのかは分かりませんが、
県内酒も複数揃えていて、県外酒はわりと大手銘柄がいくつか。
「あら、今日はこちらでも良いのかも?」なんて吸い込まれそうになったくらい。

塩尻、「美寿々」こそ洗馬に蔵があって、ちょっと遠いのですけれど、
「笑亀」や「高波」は、歩いて行って行けなくもない距離、
市街地近くに蔵元がありますから、
もしかすると、塩尻ってワインだけでなく日本酒を飲む人口が多いのかも。
どうなのでしょう。
実際、書道教室の懇親会が「龍胆」であったのですが、
ワインと塩尻3蔵の日本酒が普通に出て来ましたし…
(白鶴とか松竹梅とか、そうした超大手蔵でなく)
そうそう、会社の懇親会で「ゆたか」を利用した時も、
山賊焼き用の日本酒だー…って謳って、塩尻3蔵の日本酒もありましたし。
なるほど、この「サバ」の流れも自然な事なのかも…なんて、今頃思ったりしています。

サバが日本酒、頑張っている。


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