・
・
気楽なところで、一生懸命…と言うことですが…
えー、
いや、何と言うか、この日は気楽な日ではありませんでしたね。松本。
7月13日の噺、お酒呑みのお噂でございます。
すごい日だったと思います。
6月に連休が無かったことも起因するのか、
「久し振りの連休だ!」と、ワクワクした機運も当日はあったでしょう。
僕らも、松本の日本酒居酒屋「厨十兵衛」に出掛けるつもりでおりました。
午前中に信州スカイパークを10km走って、温泉で汗を流して、
着々と来る時間のために準備をしていて…
そこで、SNSで目に飛び込んで来たツイートに驚く、「事故だ」と。
情報収集を行う中で、上高地線も…電車でなく、車のほう、
国道158号線、竜島温泉・せせらぎの湯を過ぎて、酒屋さん、トンネル…とランドマークがある、
その途中で、結果的に痛ましく死亡事故が起きてしまっています。
えびの子大橋の踏み切りで、特急あずさと乗用車が接触。
写真を見ても、弾き飛ばされた車が、壁と特急車両の間にめり込んでいる様な…
この撤去作業は、さぞたいへんだったでしょうし、多くの方に影響が出た訳で。
僕らは、電車の運行情報とにらめっこ体勢になり、
17時の再開予定が18時、そして不明になって、21時50分の予定に変わる…
18時までは耐え忍んでおりましたが、
「不明」となると「ああ、これはイカン」と諦める訳です。
「もう、松本には出掛けられない」
しかし、服装はお出掛けの格好を着込んでいる上に、
夕ご飯の支度なんて、何ひとつ出来ていない中で、
「もう!だったら塩尻で飲むしかない!!」と考える訳です。
折りしも塩尻は阿礼神社の例大祭で、それはそれでイベント日なので、
混むのかな、どうなのかなー…と言う所でしたが、
やはり電車が動かない事に起因するのか、
流入する観光客さんもストップしてしまう訳で、しばらくは静かな塩尻駅前「サバ」店内でした。
20時過ぎから、ポツポツと旅行客さんがお見えになった感じで。
そうそう。塩尻駅にも立ち寄ったんです。
困りあぐねいた皆さんでごった返していましたね。座る場所にも限界がある訳ですから。
数字で13700人に影響があった…とまとめてしまうと実感が薄れますが、
それぞれ、とても困ったんだろう…近隣の僕らですら、
ヤキモキして、悩んで、モヤモヤッとして…
そこに宿泊やお楽しみの予定変更などが加わってしまうと、
心労は余程のことだったと感じます。本当にお疲れさまでした。
駅前で、偶然「美寿々」を醸す熊谷さんとすれ違います。
お互いに情報交換…東京では大長野酒祭りも翌日に控えていましたし。
お世話になった方の訃報も先週は飛び込んで来ましたしね…
そんな話をしながら分かれた訳でして。
・
で。
結果、「サバ」で飲み直し…って、飲んでもいない内に方向転換したのですが。
でも、それでもランニングして来た訳ですから、泡は沁み込むんです。
すごーく。
7月13日のお通しは、わらびのおひたしと叩きキュウリの梅風味。
相変わらず、気の利いたものが出て来ます。
…まだ夜は2回目ですが。
この日は、日本酒をいっぱい頂きました。
前回には無かった「お酒のリストブック」が出来ていて、
日本酒だけでなく、ワインやウイスキーも定番のものがあり、
ああ、そうだ。後から来たお兄さんはシェリー酒を頼んでいたっけ。
「お試し」されている感じがしましたが、
そうしたBarっぽく使うことも良いですよねぇ。
敷居が高い訳ではない、居酒屋さん感ある「サバ」ですから、
まず飲んでみるって、とても大切。好奇心は宝物ですもの。
信州塩尻・美寿々・純米酒
信州木祖村・十六代九郎右衛門・特別純米“八重原産ひとごこち”
日本酒、僕は「美寿々」から。
やっぱり、つい先程、熊谷さんに会ったりすると飲みたくなる訳で。
比較的、軽めに仕上げてあって、とても飲み易い。流石の造り。
YOKOさんは「見掛けたら飲むと決めている」の通りで、「九郎右衛門」を。
山のものにも海のものにも良く合うバランスタイプ。
東京・嘉泉“田むら”純米吟醸“山酒4号”
信州高遠・黒松仙醸“こんな夜に・・”・特別純米火入れ“鹿”
続いて、「田むら」は聞いたことがありますが、飲むのは初めて。
「嘉泉」は何度か。同じ蔵元さんだったんですね。
純米吟醸と言うことで、華やかさも持つ…でもボディもしっかりしていました。
美味しかったですね。
「こんな夜に」は、旨味がしっかり乗っていたもの。
くどさまで発展せず、上手に伸びて行く過程を感じます。
信州中川・今錦・特別純米“中川村のたま子”
信州長野今井・川中島幻舞・純米吟醸“雄町”無濾過生原酒
新しい体制になってからの「今錦」、あれ、今年飲むのは初めてかも。
今までの酸の高い「今錦」から、随分と穏やかさと美しさを持つ雰囲気に。
好みもあろう…と言う所ですが、
より、多くの方に好まれそうな品のある味わいに感じました。美味しい。
「川中島幻舞」は雄町米を使ったボトルで、あんまり馴染みがない印象がありますね。
YOKOさん好みの蔵元なので、度々試す機会には恵まれているのですが、
「雄町」は初めて…どうだろう。そんな印象。
太い雰囲気があり、他と比べてしまうと、ゆっくりと大きく入って来る感じ。
そりゃあ火入れ酒と比べたら、生原酒はそう感じるかもですが、
スマートな印象を僕は抱いている「雄町」にしても、
どっしりとした、たゆたんでいるような…滑らかに重さのある感覚。
また「川中島幻舞」の、ひとつの表情を知る印象でした。
・
・
ほとんど喫煙する人はいないのだけれど、
たまに煙に巻かれて、「むむむ」となったりなんかして…
そうこうしている内に、旅の方たちが入って来て…
おひとり、「これから木曽福島まで友達を迎えに行って来る。
予約の時間を過ぎちゃうけど、ごめん!」って、
律儀に店頭に顔を出した方までいたくらい。
僕らは、ずーっと居たので、その後にお見えになった所まで確認してしまう、
ゆっくり日本酒を楽しんだ夜でしたね~。
その電車に、いつもお世話になっている大町「横川商店」の呑ん子さんも、
出張帰りで乗ってらしたので、
「ああ、一緒に連れて来てもらったら良かった」とか思ったりもしたくらい。
SNSで眺めていても、長野経由で東京を目指した方もいらっしゃいましたし、
本当に、イレギュラーな人の動きが多発した日だったと思います。
そんな中、お目当ての場所には行けなかったとは言え、
「サバ」でしっかり楽しむことが出来たのは、良かったんじゃないかなー…って思います。
ああ、そうそう。
飲む前、その直前は、期日前投票を済ませて、
「PokemonGO」でアーマードミュウツーを倒したり、散歩したりしていました。
(ミュウツーはYOKOさん2戦2勝、僕は2戦2敗)
その途中「うず潮」前の看板も、日本酒メニュウが拡充されたのか、
昔から、そうなのかは分かりませんが、
県内酒も複数揃えていて、県外酒はわりと大手銘柄がいくつか。
「あら、今日はこちらでも良いのかも?」なんて吸い込まれそうになったくらい。
塩尻、「美寿々」こそ洗馬に蔵があって、ちょっと遠いのですけれど、
「笑亀」や「高波」は、歩いて行って行けなくもない距離、
市街地近くに蔵元がありますから、
もしかすると、塩尻ってワインだけでなく日本酒を飲む人口が多いのかも。
どうなのでしょう。
実際、書道教室の懇親会が「龍胆」であったのですが、
ワインと塩尻3蔵の日本酒が普通に出て来ましたし…
(白鶴とか松竹梅とか、そうした超大手蔵でなく)
そうそう、会社の懇親会で「ゆたか」を利用した時も、
山賊焼き用の日本酒だー…って謳って、塩尻3蔵の日本酒もありましたし。
なるほど、この「サバ」の流れも自然な事なのかも…なんて、今頃思ったりしています。
サバが日本酒、頑張っている。